はい、どーも革靴人の鈴木でございます。
さて
今日のネタは、メーカー紹介ってことでね、Ingenuityでございます。
中々手に入らず、
中古で購入しました。
台湾発のファクトリーブランドで「神匠」というブランドも出してますね。
このブランドも個人的に応援したいブランドです。
ただね、この靴についてはネットでサクッと検索すると「コスパ良し」って文言だけが目立つのが気になりますね。
確かに、アノネイを使ってグッドイヤー製のトラッドなデザインならば、安いかもしれんけど、
もう少し情報があってほしいよね。まあググれってことか(笑)
なんで応援したいかって言ったら、台湾発ブランドだからってのがあるね。
実は、以前に在籍していた会社で台湾と取引があって、
当時台湾訪問の際に台湾製本格靴を探したけど、ほとんど見当たらず、しかも台湾人に聞いても
「知らない」
「スニーカーなら良いメーカーがあるよ」
ってことしか返ってこなかったのよね。
あれは2011年くらいだったかなあ。
その後同メーカーのことを知ってうれしかったですね。
でもって、イキナリ台湾の靴事情の話になりますけど、
実は製靴産業ってのは台湾では主要産業だったんですよ。
40年前の話ですけど、これマジなんすよ。
世界シェアも高く、台中近辺では靴工場が今でも非常に多いんです。
台湾発のスニーカーブランドも沢山あって、幾つかは台中発らしいやね。
確かNBAでも使ってる選手が居たような気がする。
その後、台湾のお金が中国への投資に向かっていき生産拠点が台湾から中国に移行したらしいですけど、
この辺になると政治的な話も絡むので、サクっと割愛。
でもって、中国へ技術も含めて移転してしまうと、台湾本土の製靴産業が空洞化するので、
ヤベエぞって思った企業が多角経営に動いたりね、アパレル系と合弁したりという流れだったらしい。
でもって、とある靴メーカーが海外ブランドのOEMスニーカー生産を請け負って20年。
生き残る為に、経営者達が計画したのが本格紳士靴に着手するってこと。
まずは日本や欧米に技術を学習(エライ!)台湾でのテスト生産を経てから最終的にはラオスに工場を設立。
コストを計算し現地採用にて職人を育成して、アノネイを含めてクオリティの良い革を使うという戦略だね。
良い革を使って、生産コストを抑えるというインドネシア・ジャランスリワヤのロジックに近いね。
ちなみに、このブランドを見つけてからも、しばらくは手に入りにくかった。
「どこで買えるの?」って感じ。
今でこそ、ネットショップで買えるし、セレクトショップや百貨店系とのコラボだったり見かけるけど、本当に当時は弾数も無かったから、どこでも見かけなかった。
んー、なかなかセクシー。
この靴に関しては、、、革質がぶっちやけ、そこそこ。セレクトショップとのコラボモデルなのでコスト優先かもしれんね。
アノネイかもしれんけど、クオリティは今ひとつだね。
この靴は、前オーナーがカスタムして全塗装していたようです。溶剤を用いた際に気付きましたm(_ _)m
2020年9月追記
踵から踏まず部の絞り方も思い切っており、日本人の足には合いやすいかなと。足合わせに自信が無い人は外羽根が良いよ。履き口の微調整が効くからね。
ただね、実はこの靴の問題を見つけてしまっているんですよね。
簡単に言うと、振り角が曲者。
女性向けのパンプス木型を知っている人ならば良くわかると思うけど、
いわゆる「振り角」が急過ぎなんですよね。
靴を上から見たときに踏み付け部から爪先への「振り角」が急角度過ぎるのね。
この靴型に合う人って稀じゃね?(;・∀・)
ポインテッドトウで若干ロングノーズにも関わらず振り角が内向きに急過ぎることで、
何が起きるかというと、靴が地面を蹴るときに、爪先の負荷が大きくなり、この部分の削れ方が厳しいんよね。
実際にこの靴もハーフラバーを貼ってあるけど、ポインテッドトウの爪先だけが削れてしまってボロボロになりつつある。
自分の場合は若干歩きにくいかな(><)
あとは、振り角が大きいが故に、小趾部分のスペースが少なくなり、
小指付け根部分への当たりはあるね。
この木型が宮城興業のMD木型のように捨て寸が少なくて、ラウンドトウだったら目立たないと思うんだけどねえ、、、。
ググると別木型の靴も多々あるようなので、是非見てみたいのよね。
そのうち買ったら、また試します!(;’∀’)
ということで、また!
コメント失礼します、
こちらの靴私も気になって、
買ってみました!
取り上げていただきありがとうございます、勉強になりました。神匠について、あんまり情報がないですよね。
革質は、ua別注モデルと、オリジナルだと全然違う印象です。
私も応援したいブランドのひとつです!
失礼しました。